カッコイイか、カワイイか

あなたはカッコイイ女性と、カワイイ女性。どちらが好みだろうか?
一見相反する二律背反、これを両立してしまう女性がこの世に存在する。

雨宮天さんである。

彼女が他者から「カッコイイと思われたい」願望を持ち合わせていることは、ファンである青き民にとってもはや周知の事実ではあるが、それでもここまで高い次元で完成された両面を見せられてしまっては、「天は二物を与えず」という言葉の真偽を審議せねばならず、私たちはどんな難事件をも超える迷宮に足を踏み入れることになるだろう。


さて。最初の質問に話を戻そう。私が聞きたいのはつまりこうだ。
あなたはカッコイイ天さんと、カワイイ天さん。どちらが好きですか?

両方好き。それはそう。それでも敢えて聞いてみたいのだ。
ちなみに、私はこれはもう自信を持ってはっきりと断言できる。


カワイイ雨宮天さんである。

同ユニットにカワイイの権化か、はたまた地上に舞い降りた妖精か、と小一時間考えた結果「トニカクカワイイ」という結論しか出てこない麻倉ももさんという御方が存在するが、雨宮天さんのそれもまた常軌を逸しているレベルである。


「カッコイイ」作品を打ち出したものとしては、2nd写真集「10looks」や3rdアルバム「Paint it, BLUE」完全版に付属するフォトブックなどが挙げられる。

そのどちらも非常に完成度が高く、天元突破の様相を呈してはいるのだが、このブログで何度か申し上げているように、私は雨宮天さんの笑顔が好きなのだ。


そんな天さんが満を持して、自身の「カワイイ」を世に知らしめた作品として挙げられるのが、自身10枚目のシングル「PARADOX」と3冊目の写真集「High Tension!」だ。

端的に言って、バルカン半島も真っ青のヨーロッパの火薬庫である。
もはやダイナマイトに等しい。カワイイの暴力とはこのことだろう。

私とて例外でない。この2つの作品を拝見することは命懸けであった。
何を大袈裟に、と思われるかもしれないが、本当にそうなのである。


私にひと度「High Tension!」を眺めさせれば、冒頭数ページで妙な呻き声を上げながら心臓を抑え、それでいて顔面のニヤニヤは抑え切れず、何度もページを開いては閉じ、挙げ句そのまま自室のベッドに寝転んで永眠してもおかしくない有様の代物なのだ。

これはもう青き民の聖典か印籠といって差し支えない。
全く以て、推しは健康に良いが心臓に悪い。


そして配信限定ではあるものの、彼女の最新シングル「君を通して」は、自身の持ち歌の中では「異質」とまで謳われた「PARADOX」に次いでカワイイ路線の曲だ。

雨宮天さんがヒロインとして出演した「彼女、お借りします」最終話の挿入歌として流されたこの曲が、敢えてキャラクターソングではなく、本人名義での歌唱であったことに、果たしてどのような経緯があったのかは少ない情報の中から精査し想像するより他ないわけだが、「PARADOX」での反響を受けて雨宮天さんの「カワイイ」を強調していこう、と製作スタッフ陣が考えていたとしても何ら疑問はない。


というか、雨宮天さんは自身の可愛さを正しく定義すべきである。
(お、なんかリケ恋っぽい)

何が言いたいかと言うと、私たちファンの声によって「君を通して」が本人名義のカワイイ曲として誕生した、というと言い過ぎかもしれないけれど、決して小さからぬ影響があったのではないか、と私は密かに思っているし、そうであったら嬉しい。


クールな天さんも好きだが、カワイイ天さんはもっと好きなのだ。
ファンの声や期待には応えたい、と言って下さる青き民に優しい天さん。

私はこれからも彼女に、死線を彷徨わされることになるのだろう。
無論、私はそれを望んでいる。ファンとは往々にして、そういうものだ。
(お願いです早く推しの供給を下さい)