声優アーティスト ~雨宮天編~

こんばんは、氷雨です。
先月の天さんソロツアーを最後にライブやイベントから遠ざかっているため
更新が滞っておりますが、お陰様でそれなりのアクセスをいただいています。

そこで今回はアーティストデビュー4周年を迎えた雨宮天さんの歌手活動に
スポットを当て、私なりの感想等を踏まえながら書いていきたいと思います。
気が向けばもちょ編、ナンス編と続くかも……? 期待はしないでください()


☆アーティスト活動の振り返り
さて。まずは来歴を振り返ってみようと思います。年表形式でまとめました。

2014/8/13   1stSG『Skyreach
2014/11/19  2ndSG『月灯り』
2015/9/9   3rdSG『Velvet Rays

2016/9/7   1stAL『Various BLUE』

2017/7/26   4thSG『irodori』
2017/12/13  5thSG『Eternal』
2018/5/9   6thSG『誓い』

2018/7/11   2ndAL『The Only BLUE』


ご存知の通り、天さんは2014年8月13日に発売の1stシングル『Skyreach』で
アーティストデビューを飾りますが、これはまだTrySail結成前のことでした。
(※TrySail結成発表は2014/12/21、アーティストデビューは2015/5/13)

ユニットに先んじる形でのソロデビューは先代スフィアの戸松遥さんと同じ。
一応藤宮香織のキャラクター名義ですが、2014/5/21発売のカバー曲『奏』が
累計2万枚弱のヒットを飛ばしたこともデビューを後押ししたことでしょう。


☆アーティストとしての立ち位置
二期生エースの期待を背負っての歌手活動スタートでしたが、1st~2ndSGの
リリースは概ね「まずまず成功」というのが一般的な評価だろうと思います。
売上を見ても知名度が上がり始めた新人声優としては上々と言えるでしょう。

しかしその後の天さんの歌手活動が順風満帆だったかと言えばそうではなく、
むしろ前途多難な船出でした。少なくとも天さん本人はそう感じていた様子。
(声優雑誌や音楽ナタリーでのインタビュー、本人のブログ『天模様』参照)


ユニット活動が始まったこと、3rdSGの売上が良くなかったことを鑑みても、
3rdSG~4thSGまでの1年10ヶ月の空白期間がそれを端的に表しているところ。
一方、ユニットでの歌手活動は割とコンスタントにリリースが続いています。

天さんの考えなのか事務所の方針なのかは、我々には知る術がありませんが、
結果的にTrySailでの活動は天さんのソロ活動に良いシナジーが働いたことは、
天さん自身が語ってくれておりますので、知る人ぞ知るところではあります。


具体的にはTrySailでのライブや歌の経験と、ユニットとソロの方向性の対比。
元々ユニット活動に積極的でなかった天さんですが、ユニットを組むことで
ソロでは見えてこなかった視点、経験を得たことはかなり大きかったご様子。

さらにユニットでは可愛い曲を歌ってるから、ソロでは自分の好きな格好いい
ロックや攻めた曲でいこう、という対比も良いアクセントになったでしょう。
その意味で4thSG『irodori』が再スタートであり、第2章の幕開けなのかなと。


☆声優アーティストとして
先日大成功でフィナーレを迎えたソロツアーのMCの際にも仰っていましたが、
天さんの歌のルーツに自身が好む80・90年代の歌謡曲、ロック、J-POPにある
ことは疑いようがないですが、それ以上に声優であることを重視しています。


彼女がよく口にする言葉に”声優として歌う” ”歌の主人公になりきる”がある。
率直に言って、天さんが向上心の塊であり、自らの「理想」を掲げ「攻め」の
姿勢でひたすら「挑戦」する性格であることはファンの方ならご存知の通り。

そんな彼女はただただ直向きで、ともすればとても格好良くて強く見えるけど、
「歌が好きだけど、何度もやめようと思った」と先般のツアーでも語ってます。
強く見える人ほど、人一倍挫折を知っています。それを超えて今があるのです。


そんな彼女が目指す先の根底には、声優として表現者として何ができるのか?
という思いがあるのでしょう。レゾン・デートルではないけれど、私から見た
天さんの歌は常に自身の「存在証明」が見え隠れしているように感じられます。

端的に言えば「私はここにいる」という内なる自己確認……とでも言うべきか。
そんな天さんの思いが如実に表れた歌が、私は「GLORIA」だと思っています。
ですから私はこの歌が天さんの思いがふんだんに感じられ、とても好きです。


今なら分かる気がします。1stライブも2ndライブも、また今回の1stツアーも。
同じ「青」を追っていたようで、それは確かに別々の「Various BLUE」でした。
余裕のなかった1stライブから、おかえりなさいを言える場所へ変わるツアー。

今この瞬間は永遠ではないけれど、どこまでも彼女の理想を追っていきたい。
そして僭越ながら私たちが、少なくとも私は。どこまで真っ直ぐだけど本当は
不器用で泣き虫な天さんが、いつでも帰ってこられる場所でありたいと思う。


Fleeting DreamからEternalへ。儚き夢は永久の夢に。
私たちにとって、雨宮天さんは"そらに浮かぶ夢"そのものなのですから。