奇跡と軌跡の10周年

やっはろー、氷雨です。
横浜Kアリーナにて、2月24、25日に開催された『THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-4 MILLION THE@TER!!!!』Day2に現地参加してまいりましたので、
遅まきながら感じたことの思いの丈を書き殴っていきたいと思います。

一言で言うならば、本当に行って良かった。
そう思えるだけの素晴らしいライブでした。
以下、長いひとり語りのはじまりはじまり。


私がアイマスに出会ったのは2013年の秋、今から10年以上前のことです。
存在は知りつつも、どことなく敷居が高いと感じていたアイマスというコンテンツに私が足を踏み入れることになったのは、当時親しくしていた先輩Pからの勧めで、アニメ『IDOLM@STER』再放送の視聴を始めたことがきっかけでした。

アニメ版アイドルマスターは、765プロという小さな事務所に所属するアイドル達のシンデレラストーリーが軸でありながらも、きちんと一人ひとりの少女にスポットを当てて、彼女達の抱える儚さ、過酷さ、切なさ、優しさ、温かさ、尊さを丁寧に、時にリアルに、希望や絶望さえも引っ括めて描いた群像劇です。


まだ見ていない方はぜひとも見ていただきたいのですが、ともあれ原作のアーケード時代からいくつかの派生ゲームもそうであったように、アイマスは一種のノベルゲー的な要素も内包しており、それだけキャラクターの一人ひとりの過去を掘り下げた重厚なシナリオを伴っていたのがかつてのアイマスなのです。

私はアーケード版をプレイしたことはありませんが(リリース当時は別のゲームにドハマりしていたので)、少し調べただけでも例えば765プロのアイドルの一人である如月千早がいかに面倒くさい女であるかプロデュース困難な少女であるか伺い知れます。
先輩達の言を漁ると、枚挙に暇がありません。


そもそも本人はアイドルではなく歌手志望であり、歌には苛烈なまでにストイックであるにもかかわらず、その他のことにはとかく悲観的かつ批判的。挨拶したらキレられる、新しい衣装を用意したらキレられる、誉めても励ましてもテンションが下がる。
どうしろと? そしてつけられたあだ名はまさかの狂犬

ミリシタの牙の取れた優しい千早しか知らないP諸氏は、さぞ首を捻りたくなることでしょう。とは言えそこが良い、そこが好きっていうのが真性のドM歴戦の千早Pなんだろうと思います。かくいう私も10年前は千早担当を自称していましたから分かる。



話が大分逸れましたが、アニメ版アイマスの視聴を機に、当時リリースされて一年弱だったアイドルマスターミリオンライブ(通称・グリマス、765PROALLSTARS13人を含むアイドルが参加)をDL、そして映画「輝きの向こう側へ!」をスクリーンで観た私は、いよいよアイマスの真骨頂とも言うべき「リアルライブ」という沼に静かに確実に丁寧に落とされ世界に足を踏み入れることになったのでした。


とは言っても、駆け出しの新米Pがやすやすとチケットを握れるほどアイマスの世界は甘くありません。9thライブのチケットに落選して失意の中にいた私は、気付いたら自らを慰めるようにMOIW2014のライブBDを購入していました。
そして私は後々まで語り草となる、紛れもない運命の出会いを果たすのです。


北沢志保の心を宿した雨宮天さんに。
2014年の末のことでした。

プロローグがなげぇよ。七尾百合子かよ。
はい、すみませんでした。


それからというもの、私の生活の中心はミリオンライブであり、北沢志保であり、そして雨宮天さんになっていきました。驚くほど一瞬で落ちました。
まさに急転直下、いや急天直火です。(???)

実際以下のとおり、2ndライブから直近の10thライブまで、天さんの出演日の大半は配信にせよ現地にせよ、何らかの形でライブに参加していますね。


2nd:LV
(MOIW2015:両日現地)
3rd:LV(福岡、幕張)
4th:不参加(体調不良)
5th:現地
6th:LV(幕張)
7th:配信
8th:配信
9th:現地
10th:現地(Act-4)

ただ、この10年の道のりには当然色んなことがありました。


3rdツアー千秋楽の武道館ライブ発表で泣き笑いで叫んだこと。
4thライブでずっと目指してきた武道館ライブを達成したこと。

ミリシタが始まって、5thライブで新たな仲間が加わったこと。
グリマスがサ終して、心にぽっかり穴が空いてしまったこと。


志保のためにできることを探し、新しい企画を立ち上げたこと。
投票イベント企画、三度目の正直で志保に役をあげられたこと。

ミリシタのオペラセリアイベで初めてPR、PL入りしたこと。
7th以降、色々な条件が重なり気持ちが途切れてしまったこと。


アイマスから入った頃は後発の新米Pだった私も、ミリオンライブには初期から触れることができて。グリマスが他のコンテンツに先駆けてサ終してしまったり、アニメ化に10年もかかったり、正直色んな不遇の時代があったけれど、それでも私にとって一番居心地の良い場所がミリオンだったことに変わりはありません。

コロナ禍に入って世界が変わったり、7thライブの構成やセトリにどうしても納得ができなかったり、私自身の生活環境の変化もあったり、様々な要因が重なって今はミリシタも含めてアプリゲームは一つもできなくなってしまいました。


それが他の方からしたら「氷雨はミリオンからほぼ他界した」ように思われるでしょうし、実際2017年から2020年頃の全盛期と比較して情熱を傾けることができなくなったのは事実で、自分自身へ怒りや情けなさを感じたこともあります。

もはや自分は志保のPを名乗る資格はないのだと。
その葛藤を割り切るには私には時間が必要でした。


それが2021年以降の私とミリオンの距離感でした。
だから正直、10thライブへの参加も迷いがありました。

私よりもミリオンとの、天さんとの付き合いが長いフォロワーさんからお誘いいただかなかったら、行かないという選択も有り得たと思います。
ともに長い間ずっと志保と天さんを見てきた氷雨さんと連番したいと仰っていただいて、その気持ちに心を動かされたのでとても感謝しています。


自分でもあまり掘り返したくはないのですが、7thライブでどうしても私が許せなかったのは大きく2つで、1つは志保の『絵本』がソロの歌唱でなかったこと。
そしてもう1つがクレシェンドブルーが5人揃っているにも関わらず『Shooting Stars』ではなく、4thライブでも披露済みの『Flooding』が選ばれたことでした。


2ndライブでLVのスクリーン越しに見た『Shooting Stars』は翌年、3rdツアーでオリメン4人の歌唱まで見届ける事ができていました。そこからの披露は記憶にある限り一切なく、この先も永遠にないのではないかすら思えたクレシェンドブルー5人での披露が、遂に10thライブで実現して、それを現地で見届けられたこと。

この10年ずっと待ち望んで、見たかった景色。
あのイントロが流れた瞬間は忘れられません。


もちろんそれだけじゃないんですけどね。
何の不満もないセトリは、演者の皆さんの意見で組み変わったという話を聞いて、物凄く腑に落ちました。私が誰よりも見たいと願っていた景色は、他でもない演者の皆さんが一番実現を願っていた景色だったのかもしれません。それらを随所に感じ、演者の皆さんが積み上げて作ってきたライブなんだ、と強く思いました。


何よりも、39人全員が同じ舞台に立つという夢。
4thライブのあの日の武道館で叶えることができなかった願い。

並大抵の覚悟で出来ることじゃなかったと思います。
お仕事で多忙を極める方も多いし、プライベートの事情もあるでしょうし、そうでなくてもいつ何時誰が体調を崩すか分からないのですから。


10年という歳月を誰一人欠けることなく、"ひとりじゃ届かない ひとりも手放さない"を続けてきた「ミリオンライブ」だからこそ実現できた景色。
全員の『UNION!!』は、正直涙で前が見えませんでした。

それはずっと前を走り続けてきた、765PROALLSTARSの先輩達ですら成し遂げることができなかったこと。13人同じ舞台に立てたのは私の記憶を辿っても、7thライブの一度だけだったのではないでしょうか?(裏付けをとっていないので違ったらすみません)


そして最後に発表された、11周年のライブ。
10周年の次にある11周年は当たり前じゃないんです。

これはアイマスのどのブランドも成し遂げていない、10周年のその先の「11周年」のライブなんです。ミリオンライブが初めて繋いだタスキなんです。

これを"奇跡"と呼ばずして何と呼ぶのでしょうか?
まさに10年の"軌跡"が繋いだ"奇跡"。
私がずっと愛した"ミリオン"がそこにありました。